昔ながらの知恵として、
暑い季節に使われてきた「打ち水」。
最近は、エコや節電を意識して、
ご家庭で取り入れる方も増えています。
でも、じつはやり方や時間帯によっては、
あまり向かないこともあるんです。
今回は、打ち水をもっと気持ちよく
取り入れられるように、
おすすめのタイミングや場所、
ちょっとした工夫を
やさしくご紹介します。
朝や夕方に、お庭やベランダに
少しずつまくのがおすすめです。
どうして水をまくと涼しく感じるの?
お水が地面にしみ込んだり、
蒸発するとき、
まわりの熱をふわっと連れていってくれます。
このしくみを、昔の人はうまく使って
涼しさを感じやすくするために
打ち水をしていたんですね。
お庭の土や玄関前の道に
静かに水をまくだけでも、
空気がやわらかく感じられることがあります。
じつは、やらない方がいい時間帯もあります
水まきって、
いつでもやっていいように思えますよね。
でも、実は
お昼の一番暑い時間帯には
あまり向かないと言われています。
アスファルトやコンクリートが熱を持ちすぎて、
すぐに水が消えてしまったり、
なんとなく空気が重たく感じることも。
・お昼すぎて日差しがじりじりする時間
・地面が触れないくらい熱いとき
・風が全然通らない日中
無理にやらなくても大丈夫です。
涼しい時間を選ぶことで、
お水の気持ちよさも伝わりやすくなります。
朝と夕方が「ちょうどいい」時間
おすすめは、
朝の7時〜9時ごろや、
夕方の5時〜7時ごろ。
地面もそんなに熱くなくて、
水がゆっくりなじんでいく時間です。
とくに朝は、
そのあと家に入る空気も、
ほんの少しやわらかくなる気がします。
夕方なら、
お子さんと一緒に「水まきタイム」にしても◎。
夜にもできる?
はい、できます。
寝る前にベランダや玄関先に水をまくと、
お部屋に入る風がやさしく感じられることもあります。
ただし、まきすぎには注意。
・ベランダなら、隣のお宅への配慮も忘れずに
・すこしずつ、静かにまくのがおすすめ
・お子さんがすべりやすい時間は避けましょう
夜は静かだからこそ、
そっとまくことで
涼しさも気持ちよく感じられます。
どこにまくといいの?
水をまく場所も、少し意識するだけで
気持ちよさが変わってきます。
おすすめは
日陰や風の通りやすいところ。
たとえば、お庭の木の下や、
玄関の横、ベランダの角など。
日向にまくよりも、水がじんわりなじんで、
少し長く気持ちよさが続きやすくなります。
どんな水を使えばいい?
打ち水は、必ずしも新品の水道水じゃなくて大丈夫。
二度使えるお水を活用するのが、
とってもおすすめです。
・お風呂の残り湯(冷めたもの)
・雨どいにたまった雨水
・エアコンから出るポタポタ水
・洗濯機のすすぎ前の水(無香料の場合)
きれいに見えても、
食べ物や洗剤が混ざったお水は避けましょう。
植物や地面にやさしい水を、
少しずつ使っていくのがちょうどいいです。
ちょっとした工夫で、もっと心地よく
打ち水にプラスするだけで、
もっと快適に感じられる小さなコツもあります。
・植木や芝生にもやさしくまいてあげる
・すだれやよしずに水をかけておく
・ひしゃくやじょうろで静かにまく
・霧吹きボトルでミストにしてみる
じょうろからそっと注ぐ時間は、
なんだか気持ちも落ち着きますよ。
お子さんと一緒に楽しめるのも、
打ち水のいいところです。
気をつけたいこと
ちょっとした配慮で、
もっと快適に使えます。
・人にかからないように
・道路にまくときは、通る車に注意
・ご近所の敷地に入らないように
・使ったあとの道具は乾かしておく
家のまわりの環境や、
時間帯に合わせて調整してみてくださいね。
まとめ
打ち水は、暑い日を少しでも
過ごしやすくするための、
やさしい工夫のひとつです。
朝や夕方の少し落ち着いた時間に、
二度使えるお水で、
そっとまくのがポイント。
場所やタイミングを選べば、
空気も気分もふわっとやわらかくなる気がします。
伝統的な知恵を、
今の暮らしに合わせて
取り入れてみてはいかがでしょうか。
無理せず、できる範囲で。
ご家族みんなで、夏を少しだけ
気持ちよく過ごせますように。